ミリネblog
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<龍馬伝>暗殺の黒幕は?第4部はミステリー 前半最終回の福山、香川、大森の涙は「本物の芝居」
福山雅治さん主演のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の第3部がスタートした。福山さんが自ら「若手芸人のよう」と語る体当たりの演技や、香川照之さん演じる岩崎弥太郎の“汚れ”っぷりのほか、武市半平太役の大森南朋さん、岡田以蔵役の佐藤健さんに話題が集まり、今まで以上に注目度の高い同ドラマの鈴木圭チーフ・プロデューサーに、これまでの手応えや、4部で描かれる龍馬暗殺のシーンまでを聞いた。(毎日新聞デジタル)
【写真特集】武市に代わり高杉、中岡が登場 「龍馬伝」第3部の各シーン
−−ここまでの手応えは。
「大河ドラマを変えたい」という、スタッフの気持ちを集結して力を注いできた。それを、いろんなところに取り上げていただいて間違いなく世の中の龍馬ブームのような手応えを感じた。1部、2部としては上々の滑り出しだったのではないかなと思っています。
−−「大河ドラマを変えたい」というのは。
かつらとか、扮装(ふんそう)にしてもそうですけど、今までの作り物的な幕末のドラマではなくて、リアルな幕末の群像を描きたかった。映像でも、今までの大河の決まり切ったパターンを崩したいということもあって、いろいろチャレンジしました。大河(ドラマ)も49作目、(11年にスタートする)『江(ごう)〜姫たちの戦国』で50作目ですから、実はネタも一巡して出し尽くしたところもあります。龍馬も2回目で、40年以上前に1回やっている。大河も飽和期というか、来るところまで来ているところがあって、どんな新しいものができるかというところが今回のスタート地点だった。(物語の)まだ半ばですが、1部、2部では、その(新しい)スタイルに手応えはあるなっていう感じはしてるんです。
−−変えることに局内で反対意見は。
意外と現場に任されているんですね。(放送されたものの)結果については言われますけれど、やることについてそんなにめちゃくちゃ反対されるってこともないです。スタッフの総意で進めていきました。
−−もっとも力を入れてきたところはどこでしょう。
やっぱりビジュアルだと思いますね。福山さんという人を真ん中に置いて、いろんな意味で格好いい歴史上のキャラクター、格好いい龍馬を作るっていうこと。もちろん(龍馬の)周りの人たちもですが。ビジュアルというのは見せかけだけじゃなくて、そこから来る本物の芝居。格好いいビジュアルで本物の芝居を撮る。そこがいちばん力を注いだところだと思います。
−−1部、2部で満足しているシーンは。
ぱっと浮かぶのは(2部の)最終回の、龍馬と弥太郎と武市が、ろうや越しに抱き合うという感じ。つまり、龍馬伝の前半戦は、龍馬と弥太郎と武市の話で走っていくっていう骨格で、あのシーンで前半戦のゴールを迎えたんです。(俳優たちの)積み上げてきたものがあって、単純にそのシーンのせりふを覚えてどうとかじゃない。ずっと一緒にやってきた(福山さん、香川さん、大森さんの)3人の関係、撮影中や、撮影後の飲み会とか食事を重ねて親ぼくを深めてきたいろんな友情関係の厚みがあって、『本当にこいつが死んじゃうんだ』ということに対して流す涙は、芝居というレベルではなく胸を打つものがあるし、本物の芝居というものを追求してきた龍馬伝の極致だったような気がします。
−−岡田以蔵役に若手の佐藤健さんを起用するなど、キャスティングも話題です。
キャスティングで決まっちゃいますので、いちばん心血を注ぐところではあります。(キャスティングは)化学反応、食い合わせみたいなところがあって、マッチングの問題なので、福山さんとどういう人をぶつけるとお互いに輝くのかと考えていきました。(難しいのは)従来のイメージを変えるっていうところですね。(打ち合わせなどで)『この役だったら、この人は普通だけどね。龍馬伝ではやめよう』ってよく言っていた。“福山龍馬”もですが、岡田以蔵は従来のパターンでキャスティングしたら佐藤健君が演じることはあり得ない。萩原健一さんや勝新太郎さんという、もっとワイルドでごつごつした人がやってきた役だし、一般的なイメージも同じ。それをナイーブな優しい以蔵を作ると、いい意味でひねくれながら(決めた)。僕も大友(啓史チーフ・ディレクター)もなんとなく普通にやるのは嫌だっていう……(笑い)。(パターンに陥らず)不協和音とか、そこから新しいものが生まれてくる可能性を探りたいっていう意図が働くんです。
−−福山さんに対する期待は、撮影が始まる前とあとで変わりましたか。
福山さんは日々進化している。最初は狙い通り、ナイーブで悩んだりもする等身大の龍馬を、まさにナイーブな福山さんが演じているという良さが出た。回を重ねて、どんどんワイルドな龍馬だったり、もっとしたたかな龍馬だったりと、力強さのようなものが付加されて、いまや彼(福山さん)が龍馬だという感じ。(龍馬が)乗り移ってる感じがある。福山さん自身が、龍馬の成長、龍馬像の移り変わりを非常によく考えているし、僕らともディスカッションしたがって話をしている。福山さんの変ぼうとか思いみたいなものと台本の中身はなるべく連動させていっています。
−−福山さん以外に印象的だった俳優さんは。
いっぱいいるんですけど……。吉田東洋役の田中泯さんは、期待以上に視聴者の方がびっくりしたっていうか。ダンサーの方ですから一般に俳優さんとして知られた方ではない。『誰ですかあの人は!』みたいな反応がうれしかったですね。すごい反響が大きかったんで。一番最初に(反応が)来たのはもちろん弥太郎さんなんですけど。
−−25日の放送で登場するカステラ作りなど、フィクションを入れるときに気をつけていることは。
史実を素材に膨らませること。(カステラ作りは)龍馬ファンはご存じのように、実際に海援隊がカステラを作ったレシピが残っている。そうすると、どこかで(カステラ作りを)やったんだろうなと。で、それは(いつどんなときか)特定できないわけですよね。(そういった)非常に抽象的な史実を具体的に使用して、膨らませて、面白くしていくことを大河ドラマで心がけなきゃいけない。全くのウソ(フィクション)じゃなくて、寄って立つもの(史実)があって大ウソ(大きなフィクション)をつくっていう感じです。
−−例えばどんなフィクションがありますか。
最近でいうと、龍馬が土佐に戻りました。土佐に戻って後藤象二郎に会い、武市を救いに行く。(その期間は)龍馬ファンにはすごく有名な空白の4カ月。龍馬って本当に研究が進んでいて、日割りで年表があるんですが、あの期間はない。そういうところこそ、フィクションとしてはおいしいところで、なにをやっても許される想像の範囲というか。龍馬伝ではそういう(フィクションとして)膨らませたところがうまくいっている。3話で弥太郎と龍馬が関所越えをする話も全くのフィクションです。でも龍馬はあのとき江戸に修行に行っていて、ちゃんと道筋とかはリアルにやっているわけです。そこに弥太郎をくっつけて、弥太郎が偽手形を作るという話を創作して膨らませた。史実のすき間をぬっていくというか、そこはドラマとして視聴者の人も楽しんでいただけるとうれしいなと思います。
−−第4部ではいよいよ暗殺が描かれます。
(暗殺は)最終回。暗殺犯は京都見廻(みまわり)組だというのは大体分かっている。ドラマの焦点は、実行犯ではなくて、黒幕が誰だったのかっていうところ。誰が殺させたのかということが、ミステリーとしては最大に面白い。10本の指では足らないほど、龍馬を殺してもおかしくない人たちっているんですよ。第4部はそこ(暗殺)に向けてのカウントダウンなので、第4部に入ったらもう出てくる人出てくる人すべて動機を持っているというような作りになっていくと思う。(すでに出演しているキャラクターも)いろんな人たちが(黒幕で)ありえる。ほとんどの人たちがあり得るといってもいいかもしれないですね。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/ryoumaden/
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福山雅治さん主演のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の第3部がスタートした。福山さんが自ら「若手芸人のよう」と語る体当たりの演技や、香川照之さん演じる岩崎弥太郎の“汚れ”っぷりのほか、武市半平太役の大森南朋さん、岡田以蔵役の佐藤健さんに話題が集まり、今まで以上に注目度の高い同ドラマの鈴木圭チーフ・プロデューサーに、これまでの手応えや、4部で描かれる龍馬暗殺のシーンまでを聞いた。(毎日新聞デジタル)
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−−ここまでの手応えは。
「大河ドラマを変えたい」という、スタッフの気持ちを集結して力を注いできた。それを、いろんなところに取り上げていただいて間違いなく世の中の龍馬ブームのような手応えを感じた。1部、2部としては上々の滑り出しだったのではないかなと思っています。
−−「大河ドラマを変えたい」というのは。
かつらとか、扮装(ふんそう)にしてもそうですけど、今までの作り物的な幕末のドラマではなくて、リアルな幕末の群像を描きたかった。映像でも、今までの大河の決まり切ったパターンを崩したいということもあって、いろいろチャレンジしました。大河(ドラマ)も49作目、(11年にスタートする)『江(ごう)〜姫たちの戦国』で50作目ですから、実はネタも一巡して出し尽くしたところもあります。龍馬も2回目で、40年以上前に1回やっている。大河も飽和期というか、来るところまで来ているところがあって、どんな新しいものができるかというところが今回のスタート地点だった。(物語の)まだ半ばですが、1部、2部では、その(新しい)スタイルに手応えはあるなっていう感じはしてるんです。
−−変えることに局内で反対意見は。
意外と現場に任されているんですね。(放送されたものの)結果については言われますけれど、やることについてそんなにめちゃくちゃ反対されるってこともないです。スタッフの総意で進めていきました。
−−もっとも力を入れてきたところはどこでしょう。
やっぱりビジュアルだと思いますね。福山さんという人を真ん中に置いて、いろんな意味で格好いい歴史上のキャラクター、格好いい龍馬を作るっていうこと。もちろん(龍馬の)周りの人たちもですが。ビジュアルというのは見せかけだけじゃなくて、そこから来る本物の芝居。格好いいビジュアルで本物の芝居を撮る。そこがいちばん力を注いだところだと思います。
−−1部、2部で満足しているシーンは。
ぱっと浮かぶのは(2部の)最終回の、龍馬と弥太郎と武市が、ろうや越しに抱き合うという感じ。つまり、龍馬伝の前半戦は、龍馬と弥太郎と武市の話で走っていくっていう骨格で、あのシーンで前半戦のゴールを迎えたんです。(俳優たちの)積み上げてきたものがあって、単純にそのシーンのせりふを覚えてどうとかじゃない。ずっと一緒にやってきた(福山さん、香川さん、大森さんの)3人の関係、撮影中や、撮影後の飲み会とか食事を重ねて親ぼくを深めてきたいろんな友情関係の厚みがあって、『本当にこいつが死んじゃうんだ』ということに対して流す涙は、芝居というレベルではなく胸を打つものがあるし、本物の芝居というものを追求してきた龍馬伝の極致だったような気がします。
−−岡田以蔵役に若手の佐藤健さんを起用するなど、キャスティングも話題です。
キャスティングで決まっちゃいますので、いちばん心血を注ぐところではあります。(キャスティングは)化学反応、食い合わせみたいなところがあって、マッチングの問題なので、福山さんとどういう人をぶつけるとお互いに輝くのかと考えていきました。(難しいのは)従来のイメージを変えるっていうところですね。(打ち合わせなどで)『この役だったら、この人は普通だけどね。龍馬伝ではやめよう』ってよく言っていた。“福山龍馬”もですが、岡田以蔵は従来のパターンでキャスティングしたら佐藤健君が演じることはあり得ない。萩原健一さんや勝新太郎さんという、もっとワイルドでごつごつした人がやってきた役だし、一般的なイメージも同じ。それをナイーブな優しい以蔵を作ると、いい意味でひねくれながら(決めた)。僕も大友(啓史チーフ・ディレクター)もなんとなく普通にやるのは嫌だっていう……(笑い)。(パターンに陥らず)不協和音とか、そこから新しいものが生まれてくる可能性を探りたいっていう意図が働くんです。
−−福山さんに対する期待は、撮影が始まる前とあとで変わりましたか。
福山さんは日々進化している。最初は狙い通り、ナイーブで悩んだりもする等身大の龍馬を、まさにナイーブな福山さんが演じているという良さが出た。回を重ねて、どんどんワイルドな龍馬だったり、もっとしたたかな龍馬だったりと、力強さのようなものが付加されて、いまや彼(福山さん)が龍馬だという感じ。(龍馬が)乗り移ってる感じがある。福山さん自身が、龍馬の成長、龍馬像の移り変わりを非常によく考えているし、僕らともディスカッションしたがって話をしている。福山さんの変ぼうとか思いみたいなものと台本の中身はなるべく連動させていっています。
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