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熱を帯びる電子書籍の配信プラットフォーム競争――日本独自の規格は正しい選択か?
熱を帯びる電子書籍の配信プラットフォーム競争――日本独自の規格は正しい選択か?(nikkei TRENDYnet) - Yahoo!ニュース
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熱を帯びる電子書籍の配信プラットフォーム競争――日本独自の規格は正しい選択か?
nikkei TRENDYnet8月 2日(月) 11時48分配信 / テクノロジー - モバイル
KindleやiPadに端を発した、デジタル・コンテンツの配信プラットフォーム競争が日本でも熱を帯びてきた。
KindleやiPadに端を発した、デジタル・コンテンツの配信プラットフォーム競争が日本でも熱を帯びてきた。7月1日にソニー、KDDI、凸版印刷、そして朝日新聞が共同で電子書籍の配信事業会社を設立。同20日にはシャープがタブレット端末の試作機をお披露目すると共に、出版業界の賛同を経て電子書籍を配信する計画を発表した。両陣営とも、いずれは動画やゲームなど、コンテンツ全般の配信プラットフォームへと発展させる方針だ。それ以前からソフトバンクの「ビューン」や電通の「Magastore」など、コンテンツの配信プラットフォームは乱立の様相を呈している。
【詳細画像または表】
中でもシャープの取り組みは野心的だ。単に端末を提供するだけでなく、動画や音声などマルチメディア対応の「次世代XMDF」という同社独自の規格(フォーマット)を提案。この規格に基づく、電子書籍のオーサリングや配信のシステムを新聞社や出版社に提供する。さらに米Verizonや英Vodafoneと提携交渉に入るなど、今後、自社の配信プラットフォームを国際展開する構えだ。
しかし米欧など世界市場では、既にKindleを有するAmazonと、iPhoneやiPadを有するAppleが、配信プラットフォーム競争でつばぜり合いを演じている。プラットフォームは端末以上に重要だ。たとえばiPad発売の影響で、当初、売上の減少が危惧されたKindle向け電子書籍は、予想に反して、それまで以上のペースで売り上げを伸ばした。その一因は、Amazonが、Kindle向け電子書籍を読むためのアプリを、iPhoneやiPad、さらにはBlackberryやAndroid端末用にもリリースしたからだ。つまりAmazonの配信プラットフォームが、競合他社の端末上にも侵出したことで、同社の電子書籍事業は急拡大したのだ。
書籍全体に占める電子書籍の割合はまだ小さいが、それは急成長しており、既にミリオン・セラーも生まれている。米Wall Street Journal(WSJ)紙によれば、米国の作家James Patterson氏が著した電子書籍は7月6日までに114万部が発売され、そのうち86万8000部がAmazonからだ。ここから電子書籍市場に占めるAmazonのシェアは、8割程度と推定される。一方Apple CEOのSteve Jobs氏は、電子書籍市場に占めるApple iBookstoreのシェアは20%と主張。となると、現時点の電子書籍市場をAmazonとAppleのプラットフォームがほぼ独占していると見てよい。
そこにシャープが、XMDFという独自規格を引っ提げて乗り込む。WSJ紙は「シャープのプラットフォームは洗練されたマルチメディア・コンテンツには適しているが、米国のコンテンツ・プロバイダーはむしろiPadのような既に認知されたブランドに向けてコンテンツを提供するだろう」(みずほインベスターズ証券アナリストの倉橋延巨氏)という厳しい見方を掲載している。
一方、国内市場を見ると、日本の出版社は今のところ、KindleやiBookstoreなど外国勢のプラットフォームに門戸を閉ざしている。確かにiPad向けの電子雑誌・書籍は既に存在するが、これらは厳密には「アプリケーション形式」でリリースされている。つまり手間のかかるアプリ・プログラムとして個々に作り込んでいるのだ。日本で電子書籍が本格的に普及するためには、個別アプリではなく、KindleやiBookstoreのような配信プラットフォーム、つまり「編集されたコンテンツが、所定の規格に沿って機械的に製品化され、読者に届けられる仕組み」に乗る必要がある。
日本でKindleやiPadは既に発売されているが、その上の配信プラットフォームに対して出版社は警戒心を抱いている(つまりKindleとiBookstoreでは、日本語の書籍はまだ発売されていない)。その表向きの理由は「規格(フォーマット)」の問題である。iBookstore向けの電子書籍は「ePub」、Kindle向けは「AZW」という規格を採用している。これらの規格は「縦書き」や「禁則処理」など、日本語独自のファクターをサポートしていない。これが日本の出版社が外国勢のプラットフォームを拒む公式理由となっている。
これに対しシャープのXMDFは上記の日本語ファクターを以前からサポートしており、今回発表された次世代版ではマルチメディアにも対応した。このため日本の出版業界は、シャープのプラットフォームを強く支持している。しかし「規格の問題は、外国勢を排斥する口実」との指摘もある。ある業界関係者は「日本の出版社がAmazonやAppleに『日本語をきちんとサポートすれば、コンテンツを提供する』と確約すれば、彼らは早急に対応するはず。しかし、これまで(出版社は)そうした積極的な提案をする代わりに、外国勢の(規格の)粗探しをして『ここと、ここが駄目だから本を出せない』という姿勢に終始してきた」と打ち明ける。
もっとも日本の出版社が外国勢に警戒感を抱くのは、やむを得ない面もある。特にAppleはApp Storeにおいて、ある種、恣意的なコンテンツ検査をしたことで悪名高く、これが電子書籍にも波及することを、日本の出版社は危惧している。たとえば「医龍」のような医療系の漫画が「血の流れるシーンがある」という理由から検査で弾かれる、といったケースを心配している。そういった突拍子もないことをする外国勢のプラットフォームよりも、シャープのように気心の知れた日本企業のプラットフォームを支持する、という気持ちも、ある程度は理解できる。
しかし、日本側の配信プラットフォームを用意する際、それをXMDFのような独自規格に依存することには疑問が残る。海外でKindleの「AZW」やiPad(iBookstore)の「ePub」がこれだけ普及した現状を見る限り、日本の出版業界だけが、何時までも、それらを排斥するのは現実離れしている。いずれは外国勢の規格向けにも、日本語の電子書籍がリリースされるのは時間の問題。その上さらに、次世代XMDFという独自規格が追加された場合、幾つもの規格が乱立してしまう。となると、日本の出版社は同一のコンテンツを異なる規格に合わせて作り直す必要が生じる。また読者は、シャープの配信プラットフォームから購入した電子書籍がKindleやiPadでは読めなくなる。規格の乱立は、誰にとっても望ましい状態ではない。
むしろ日本独自の規格よりも、国際標準ないしはそれに近い規格を採用し、その上に日本側の配信プラットフォームを構築するのが、本来進むべき道だろう。その有力候補は「HTML5」だ。HTML5はXMDF同様、マルチメディア対応のコンテンツをコンパクトに作成できる上、ウエブの国際標準化団体「W3C」が策定中の次世代規格だ。さらに最初から日本語を始め多国語対応になる。
HTML5はAppleやGoogleも強く支持している。いずれiBook Storeや Google Editionsでも当初のePubに代わって、HTML5を採用する見込みだ。日本の出版業界は当面、iPadやKindleへの対応を進めながら電子書籍事業のノウハウを蓄積し、その間に次世代の国際規格であるHTML5に基づく日本側のプラットフォームを準備し、これによって海外勢と競合する体制を整えるのが賢明だろう。
(文/小林雅一=ジャーナリスト、KDDI総研リサーチフェロー)
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/computer/electronic_books/
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そして何より、鈴木保奈美さんが、、大好きですwww
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KindleやiPadに端を発した、デジタル・コンテンツの配信プラットフォーム競争が日本でも熱を帯びてきた。
KindleやiPadに端を発した、デジタル・コンテンツの配信プラットフォーム競争が日本でも熱を帯びてきた。7月1日にソニー、KDDI、凸版印刷、そして朝日新聞が共同で電子書籍の配信事業会社を設立。同20日にはシャープがタブレット端末の試作機をお披露目すると共に、出版業界の賛同を経て電子書籍を配信する計画を発表した。両陣営とも、いずれは動画やゲームなど、コンテンツ全般の配信プラットフォームへと発展させる方針だ。それ以前からソフトバンクの「ビューン」や電通の「Magastore」など、コンテンツの配信プラットフォームは乱立の様相を呈している。
【詳細画像または表】
中でもシャープの取り組みは野心的だ。単に端末を提供するだけでなく、動画や音声などマルチメディア対応の「次世代XMDF」という同社独自の規格(フォーマット)を提案。この規格に基づく、電子書籍のオーサリングや配信のシステムを新聞社や出版社に提供する。さらに米Verizonや英Vodafoneと提携交渉に入るなど、今後、自社の配信プラットフォームを国際展開する構えだ。
しかし米欧など世界市場では、既にKindleを有するAmazonと、iPhoneやiPadを有するAppleが、配信プラットフォーム競争でつばぜり合いを演じている。プラットフォームは端末以上に重要だ。たとえばiPad発売の影響で、当初、売上の減少が危惧されたKindle向け電子書籍は、予想に反して、それまで以上のペースで売り上げを伸ばした。その一因は、Amazonが、Kindle向け電子書籍を読むためのアプリを、iPhoneやiPad、さらにはBlackberryやAndroid端末用にもリリースしたからだ。つまりAmazonの配信プラットフォームが、競合他社の端末上にも侵出したことで、同社の電子書籍事業は急拡大したのだ。
書籍全体に占める電子書籍の割合はまだ小さいが、それは急成長しており、既にミリオン・セラーも生まれている。米Wall Street Journal(WSJ)紙によれば、米国の作家James Patterson氏が著した電子書籍は7月6日までに114万部が発売され、そのうち86万8000部がAmazonからだ。ここから電子書籍市場に占めるAmazonのシェアは、8割程度と推定される。一方Apple CEOのSteve Jobs氏は、電子書籍市場に占めるApple iBookstoreのシェアは20%と主張。となると、現時点の電子書籍市場をAmazonとAppleのプラットフォームがほぼ独占していると見てよい。
そこにシャープが、XMDFという独自規格を引っ提げて乗り込む。WSJ紙は「シャープのプラットフォームは洗練されたマルチメディア・コンテンツには適しているが、米国のコンテンツ・プロバイダーはむしろiPadのような既に認知されたブランドに向けてコンテンツを提供するだろう」(みずほインベスターズ証券アナリストの倉橋延巨氏)という厳しい見方を掲載している。
一方、国内市場を見ると、日本の出版社は今のところ、KindleやiBookstoreなど外国勢のプラットフォームに門戸を閉ざしている。確かにiPad向けの電子雑誌・書籍は既に存在するが、これらは厳密には「アプリケーション形式」でリリースされている。つまり手間のかかるアプリ・プログラムとして個々に作り込んでいるのだ。日本で電子書籍が本格的に普及するためには、個別アプリではなく、KindleやiBookstoreのような配信プラットフォーム、つまり「編集されたコンテンツが、所定の規格に沿って機械的に製品化され、読者に届けられる仕組み」に乗る必要がある。
日本でKindleやiPadは既に発売されているが、その上の配信プラットフォームに対して出版社は警戒心を抱いている(つまりKindleとiBookstoreでは、日本語の書籍はまだ発売されていない)。その表向きの理由は「規格(フォーマット)」の問題である。iBookstore向けの電子書籍は「ePub」、Kindle向けは「AZW」という規格を採用している。これらの規格は「縦書き」や「禁則処理」など、日本語独自のファクターをサポートしていない。これが日本の出版社が外国勢のプラットフォームを拒む公式理由となっている。
これに対しシャープのXMDFは上記の日本語ファクターを以前からサポートしており、今回発表された次世代版ではマルチメディアにも対応した。このため日本の出版業界は、シャープのプラットフォームを強く支持している。しかし「規格の問題は、外国勢を排斥する口実」との指摘もある。ある業界関係者は「日本の出版社がAmazonやAppleに『日本語をきちんとサポートすれば、コンテンツを提供する』と確約すれば、彼らは早急に対応するはず。しかし、これまで(出版社は)そうした積極的な提案をする代わりに、外国勢の(規格の)粗探しをして『ここと、ここが駄目だから本を出せない』という姿勢に終始してきた」と打ち明ける。
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