2010/08/18 (Wed) セＶ争いカギ握る３人の“正妻” 欠場は致命的

セＶ争いカギ握る３人の“正妻”　欠場は致命的
　“正妻”の阿部慎之助捕手（３１）を負傷により３試合連続で欠いた巨人が、１７日の中日戦（ナゴヤドーム）に完敗。一方、２位巨人にわずか１・５ゲーム差（１７日現在）に迫った中日も、実は落合博満監督（５６）が最も恐れているのが谷繁元信捕手（３９）の故障なのだという。３強による優勝争いは事実上、阿部ＶＳ谷繁ＶＳ城島の様相だ。

　 ［フォト］６回、タイムリーで勝利に貢献した中日・谷繁

　「阿部さんに一番やられていますからね。代打で出てくる可能性はあると思ったけど…」。試合後にこう述懐したのは、巨人打線を抑え込んだ中日の先発・チェン。昨年の対戦成績が１７打数７安打、打率・４１２、１本塁打。今季に至っては１２打数６安打、打率５割、３本塁打とカモにされている阿部ひとりいないだけでも、かなり気は楽だったはずだ。

　阿部は１３日の横浜戦でファウルボールを右ふくらはぎに当てて負傷し、翌日から２試合ベンチを外れた。１７日は３試合ぶりにベンチ入りしたが、結局出番なし。

　打撃だけではない。巨人ＯＢの夕刊フジ評論家、須藤豊氏は「代役でマスクをかぶっている鶴岡には悪いが、試合に出続けてきた阿部と比べると、ナインの信頼度が違う。自分の好きなように投げたいグライシンガーは昨年から阿部とバッテリーを組むのを嫌がっていたが、昨年のような絶好調時ならいざ知らず、投手の調子が悪い時にどうリードするかというノウハウを持っているのは阿部です」と指摘する。先発投手陣総崩れの今季の巨人にあっては、阿部への依存度はなおさら高いというわけ。

　そもそも原巨人の転落は、５番に定着して攻守に乗りに乗っていた阿部をオールスター明けと同時に６番に降格し、打率１割台の不振に悩む亀井あえて５番に抜擢したあたりから歯止めがきかなくなっている。

　さらに須藤氏は「以前、落合監督と話をした時、『４番の代わりはなんとかなるが、谷繁に故障されるのが一番困るんだ』と言っていました。森繁和ヘッドコーチも同じことを口にしていましたよ」と明かす。

　今年１２月で４０歳になる谷繁の場合、小田や小山にスタメンを譲り休養を与えられるケースもあるが、こちらも勝負どころで頼りになるのは、投手を叱咤できるプロ２２年目のベテランだけなのだ。

　そういえば阪神も、今月５日の巨人戦でエース格の久保がめった打ちにされ、疲労のためかリードがさえない城島を早々にベンチへ引っ込めてから悪夢の５連敗がスタート。雨天中止明けの１２日広島戦でその城島が２０号、２１号本塁打を連発してからは、再び上昇気流に乗りつつある。

　どうやら熾烈な優勝争いの鍵を握っているのは、“グラウンド上の監督”にもたとえられる正捕手３人。指揮官が彼らをどう気分よくプレーさせるかも問われることになりそうだ。　（宮脇広久）
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/sports/chunichi_dragons/

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